2019年9月6日に発売した「雪女と蟹を食う」第2巻のあらすじと感想です。
ネタバレを含みますのでご注意ください。
雪女と蟹を食う|基本情報
作品名 | 雪女と蟹を食う(読み方:ゆきおんなとかにをくう) |
作者 | Gino0808(@Gino0808)(読み方:ぎのぜろはちぜろはち) |
出版社 | 講談社 |
ジャンル | ミステリー、サスペンス、ホラー、不倫、官能 |
連載 | ヤングマガジン |
雪女と蟹を食う|第1巻までのストーリー
主人公・北(きた)は過去に起きた冤罪事件のせいで物事がうまくいかず、自暴自棄になり自殺を計画していた。
しかし、死のうとするも死に切れず、たまたま見たテレビ番組がきっかけで北海道に蟹を食べに行くことにする。
翌日、図書館で偶然出会った金持ちそうな女・雪枝彩女を襲う。
そして、なぜかその女と一緒に北海道へ蟹を食べに行くことになった。
二人は愛知から車で北上し、日光を観光する中で彩女は北に提案する。
「大人の夏休みしちゃいましょうか」
雪女と蟹を食う|第2巻の登場人物
北 (きた)
「雪女と蟹を食う」の主人公。27歳。
本名は不明。名前を聞かれて偽名の”北”と名乗る。
自暴自棄になって死のうとするも死にきれず、図書館で偶然出会った彩女に乱暴をする。
事が終わった後に自分の境遇やこれからの事を話すと彩女は興味を持ち、なぜか一緒に北海道へ旅に出ることに。
途中、これが叶わぬ恋と彩女への思いが募っていく。
雪枝彩女(ゆきえだ あやめ)
「雪女と蟹を食う」のヒロイン。三十路の人妻。
図書館でたまたま出会った北に目をつけられ乱暴される。
行為が終わった後に北の話を聞き「蟹を食べに行く」という話に興味を持ち一緒に食べに行くことにする。
謎多き女性で旅をする目的や旦那との関係などはまだ明らかになっていない。
雪女と蟹を食う|第2巻のあらすじ
彩女への募る思い
北は彩女への恋心を募らせていく。
しかし、この恋に明るい未来はない。あるのは「虚無」。
何も無く、虚しいだけの人生。
それでも、北は彩女への恋心を燃え上がらせ、体を求めるのであった。
北と彩女は福島県へ突入
北と彩女の北海道への旅は続く。
日光を後にした二人は福島県に突入。
郡山駅で食事を済ますと駅ビルにあるアパレルショップで北の服を新調。
いつも彩女にペースを握られている北はなんとかやり返してやろうと露出の多いビキニの購入しないかと提案する。
はじめは嫌がる彩女だが、北に押し切られて購入。二人は猪苗代湖へ向かい湖水浴をすることにした。
湖水浴を終えた二人は会津若松へ向かうことに。
その途中にあるガラス館に寄り道して二人は買い物をした。
ガラス館で北と彩女の誕生日が二人とも8月8日である事が判明する。
そして、翌日が8月8日だった。
北は内緒で彩女へのプレゼントを購入。
彩女も今夜使うという何かを購入していた。
ホテルに着くと二人は夕食を食べに近くの料理屋へ。
彩女は会津の美味しい地酒を楽しんでいた。
それを見た北は彩女が会った頃よりも明るくなったと告げる。
「享楽に耽ることでしか救われないことがある・・・」
彩女はこの事を教えてくれた北に感謝をしていると言った。
帰りにコンビニに寄ると彩女は「享楽」という日本酒とコンドームを購入して宿に戻った。
享楽に耽る誕生日
宿に帰ると彩女がガラス館で購入したガラスの徳利と御猪口にコンビニで購入した日本酒を注ぎ日付が変わると二人で乾杯をした。
日本酒が苦手な北は飲まないでいたが、彩女が口に含んだ日本酒をキスと共に飲ませる。
「享楽に耽ることでしか救われないことがある・・・」
先ほどの言葉を思い出した北は瓶のまま日本酒を飲み、過去の苦い思い出を忘れるかのように彩女を抱いた。
享楽とは少し違う
北は彩女との行為が終わったあと、外を眺めながら思った。
新潟県を経由して山形県へ
二人は次の目的地である山形県の銀山温泉へ行くために会津若松を出発した。
途中新潟県でお昼ご飯を食べ、山形県の加茂水族館で観光をすることに。
水族館でエイやタコ、これから食べに行く蟹を見て彩女ははしゃいでいた。
その裏で、北は打ちひしがれている。
会津若松に行く途中のガラス館で北は彩女のために指輪を購入していたが、手を繋いだ時、彩女の指に自分が奪おうとしたダイヤの指輪があることに気がついた。
そう。彩女との恋は決して成就しない恋なのだ。この夏が終われば二人の関係はーー
北は水族館で偶然出会った女の子に指輪をプレゼントして涙するのであった。
彩女の体調不良と北の運転
彩女は前日に北と抱き合ったあと、裸で寝てしまい風邪をひいてしまっていた。
朝から寒そうにしている彩女を見ていたがそれに気がつかなかった北は自分を責めた。
そして、加茂水族館から目的地の銀山温泉までペーパードライバーの北が運転することに。
途中、ドラッグストアに寄り薬を買い、彩女に着くま寝ているように告げた。
彩女はその言葉に甘え、助手席で眠りについた。
北が大雨の中、山道を運転しているとトラックに挟まれてしまった。
その時、北は過去に冤罪の罪をかけられ有罪になったあと、当時付き合っていた彼女にあっさりと捨てられてしまった事を思い出していた。
もう1人で生きたくも死にたくもない
このまま事故を起こして彩女と二人で死ねたら…
そんな最悪の結末を思い浮かべていると目の前でトラックが事故を起こし、北と彩女は九死に一生を得た。
北はあらためて死について考え、彩女が死ななくてよかったと心の底から思うのであった。
雪女と蟹を食う|第2巻の感想
北の彩女への想いと生への執着
第1巻で北は過去に痴漢の冤罪で有罪判決を受けていた事が明らかになっていました。
有罪判決を受けたことで家族や友人、仕事など全てを失った北は”孤独”になりそれに耐えきれず自殺を図るのが物語のスタートです。
そして自殺前に襲った彩女と二人で旅をするウチに強烈に惹かれていきます。
自殺の理由が”孤独”だったので彩女と二人でいる事で満たされるものがあったのでしょう。
2巻では北が徐々に彩女に惹かれていき、自分が死を選ぼうとした理由、そして死を恐れ生に執着する姿が描かれます。
とても人間臭くい北という人物をもっと知りたい、この先にどんな未来が待っているのか知りたくなるでしょう。
ミステリアスさが加速する彩女
自分を襲った人物と北海道を目指すヒロイン・彩女のミステリアスさが2巻で加速しています。
「享楽に耽ることでしか救われないことがある・・・」
というセリフから普段は何らかの束縛、不自由さがあった、旦那との関係がうまくいっていなかった事を暗示しているのでしょうか。
さらに、会津若松の宿にとまった時、旦那らしき人物が夢枕に立ち目が覚めるということも起きました。
旦那から逃げている?
ますます謎が深まります。
もしかしたら、彩女は旦那を手にかけてしまったのかもしれない。そんな気もしてしまいます。
美しさの中に底知れない謎を持つ彩女の存在が物語をさらに面白くしていますね。
「雪女と蟹を食う」第2巻のあらすじと感想まとめ
「雪女と蟹を食う」第2巻のあらすじと感想を書きました。
北と彩女のキャラクターや心情を丁寧に深掘りした巻でさらに物語の世界観に入り込む事ができます。
「雪女と蟹を食う」は漫画を読むというより小説を読む感覚に近いですね。
物語が徐々にうねりをあげて二人を飲み込み始める不穏さをすごく感じました。
3巻ではどのような物語が紡がれるのかとても楽しみです。